【お知らせ】 HONDAさんの公式サイト内「原付クラブ」にて、カブに関する記事を担当させていただいています。

>>原付クラブ 山のくらし ときどきカブ by 今井ヨージイラストレーション

フュージョンのカウル補修と全塗装

中古フュージョンの使い込まれたボロさに愛おしさを感じてしまい、塗装することを躊躇し始めていたのですが、そうはいっても端から見たらただのボロいスクーターにしか見えず、やはりツヤツヤのカウルに流れる景色が映り込んでこそフュージョンの美しさがある、と自分を説得し全塗装に挑みます。
>>フュージョン購入と整備の記事はこちら

アンダーカウルの塗装

樹脂が風化してカスカスになっているうえに、それを誤魔化そうとしてバーナーで炙ってムラだらけになっているアンダーカウルから着手。表面が粉っぽくなっている部分もあるので紙やすりで全体的に一皮むく感じです。さらに、転倒して削れた部分をヤスリで整え、ひび割れしているところは安物のプラスチック接合機で金具を埋め込んで補強。

見るからに塗装のノリが悪そうなのでミッチャクロン的なプライマーを使用。2液ウレタンのつや消し黒で塗装します。

アッパーカウルの補修と塗装

つや消し黒のアンダーカウルは適当な補修でも誤魔化せますが、アッパーカウルは車の板金同様に丁寧に補修します。割れた部分をプラ接合機で溶着し、その痕跡や傷をポリパテで補修。
右側ウインカーの損傷は特に激しく、カウルもろともバキバキになったウインカーレンズを荷造りテープでくっつけてある状態でした。ウインカーの交換も考えましたが純正中古だとそれなりのプレミア価格なので多少の割れには目を瞑って補修することに。

1液ウレタンプラサフでの下塗り。グレーになると小さな傷やパテの段差が見えてくるので、それを補修してはプラサフで塗り直します。色々塗装してきましたが、毎度必要なのは忍耐。

数ヶ月悩んで決めたボディカラーはアンヴィルグレー

アースカラーが好きなので、限りなくグレーに近いグレージュや、純正カラーのアイボリーも捨てがたかったのですが、ギラギラに景色が映り込む濃いめのカラーに傾いてきました。ようやく着地したのはジープの純正色で、最近ハイエースやプロボックスカスタムで人気のアンヴィルグレー。ワイルドさの中にも都会的でクールな雰囲気があり、ウインカーのオレンジやアンダーカウルの黒との相性が最高。

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ウレタン塗装は何度かやって少し慣れてきてはいますが何度やっても難しい。シンナーの割合や空気圧、塗料の吐出量、スプレーガンの距離や動かすスピードなど、何かしらが良くないらしく微妙な波打ちやザラつき、タレが出てしまいます。
塗装のプロも多少のミスはありつつ塗装後の研磨でリカバリーしていると思いますが、その研磨も難しいものでちょっとやりすぎると下地に到達してしまってやり直しになるという恐怖が。

シンナーや硬化剤、艶ありディープブラックは在庫があったので、今回購入したのはアンヴィルグレーのベースカラー500gとアンダーカウルの艶消し剤のみで費用は5,000円くらい。業者に丸投げすると10万円〜という相場らしいです。

塗装前

長年使い込まれたとっつぁんのボロいスクーターという佇まいでしたが…

塗装後

優しいようで力強い垢抜けた雰囲気に生まれ変わりました。この写真ではけっこう明るくてポップに見えますが、曇天や夕暮れなど光の加減によってどっしりとした色に見えたりします。これはグレーに近いくすみカラーの不思議なところ。

フロントホイールの塗装

アンダーカウルが黒く引き締まるとホイールのボロさとシルバーが気になったのでマットブラック塗装しました。ウレタン塗料の在庫がないので、わけあって5本くらい在庫を抱えているシリコンラッカースプレーでお手軽に塗装しました。リアタイヤは目立たないのでそのうち。

基本的な整備と全塗装を終えて、ようやく「マイフュージョン」という実感がでてきました。怪しい走行距離メーターや部品の供給問題など不安なところもありますが、我が家の歴代カブ同様、末永く大事にしていきたいと思います。

乗り物のこと